チャプター 11

翌日の夜、七時きっかりに、運転手が私をヘイヴン・クラブの前で降ろした。ここはプライバシーの確保が徹底している――シーシャイア市の上流階級が集うガラは、いつもヘイヴン・クラブ最上階で開かれるのだ。

大広間は息をのむほど見事だった。二階天井から巨大なクリスタルのシャンデリアが下がり、柔らかなきらめきが空間の隅々まで降り注いでいる。片隅ではピアニストが優雅に指を走らせ、テーブルには菓子や飲み物が芸術品のように並べられていた。

「こんばんは、お嬢さま。お飲み物はいかがいたしましょう?」

給仕が近づいてきた。

昨夜の惨事を思い出し、無難にいくことにする。

「オレンジジュースをお願いします」

携帯...

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